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「ケロン村再建への決意」
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村長 上乗秀雄

ケロンの地は元々荒れた耕作放棄地でした。自らの健康と生きがい、子どもたちの自然体験や環境教育、併せて、地域の活性化を目指して妻や家族、加えて有志の方々のご支援を得てコツコツ造り上げてきた手づくりの施設です。2009年の開村以来少しづつ充実し、今は年間5,000人を超えるお客さんで賑わい、国の『ディスカバー農山漁村(むら)の宝』や『ふるさとづくり大賞』に選定されるなど、一定程度目標を達成しつつあると感じていました。 私も80歳を迎え、ケロンの最大の課題は事業承継です。幸い長女の子、古矢拓夢君が後継として名乗りを上げてくれ、昨年から行政や金融機関などのご指導を得ながら承継の準備を進めている最中の今回の被災です。本来なら安心できる環境で拓夢君に事業承継したかったのですが、ゼロ、いや、マイナスからのスタートになってしまいました。 壊れた石窯を再建し、傾いた建物を起こし、地割れや亀裂を埋め、落ちた橋、崩れた石垣、割れ落ちた女神像、散乱した薪など、一つ一つ復旧しなければなりません。気の遠くなるような膨大な作業を乗り越えていかねばなりません。加えて収益施設への脱皮という、かってない難題にも同時に取り組まなければなりません。 自然は美しく優しい、されど、畏敬すべき存在であることをこの地震は教えてくれました。巨大地震の絶大な破壊力の前には人間は無力に等しい。されど、復興への意欲と夢を追う意志があるかぎり、きっとより良く再生できると私は信じています。 マイナスからのスタートゆえ、私と拓夢の絆はより強くなるでしょう。二人で力を合わせ、加えて、家族や応援してくださる方々とご一緒に、必ずやケロン村を再建したいと思っています。拓夢君に将来を託して事業承継を果たすまで私は全身全霊で頑張りたいと自らに誓っています。皆様のご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。

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「能登の未来をつなぎたい
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後継 古矢拓夢

普段私たちが生きているこの世界で大人になるにつれ、知らず知らずのうちに忘れてしまう大切な「何か」に出会うことができる、僕はこの場所に来るといつもそう思います。 僕とケロン村の出会いは2009年、当時僕は小学4年生で普段は金沢に住んでいたのでたまにお手伝いに行くくらいであの頃はまさかこのケロンの小さな村を、そして能登という場所をこんなにも好きになるなんて思ってもいませんでした。 そして24歳になった去年の冬、働いていた会社を辞め拠点を東京から能登に移しこの場所に人生を捧げる想いで動いていた最中今回の大地震に見舞われました。 僕自身悲しみや動揺はとても大きかったです。ただ僕はそれでもこの能登という場所が大好きです。暖かい人がたくさんいて、全てを包み込むような大自然があり皆が助け合って生きている。胸を張って誇れる場所です。だからこそ少しでも良いから力になりたい。 まだ何もできない未熟者ではありますがこのケロンの小さな村を通して微力ながら能登の復興の希望になれるよう精進していきたいと思っておりますので、応援いただけると幸いです。

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